※撮影当時
自動車のディーラーの事務として働いていた頃、ふと「このままでいいのかな」という疑問を持ちました。残業なんて一切ないけど、淡々とした日々。うまくいったりいかなかったりして一喜一憂するような躍動の醍醐味はない。働くことの意義ってなんだっけ?そういえば、15年間ピアノを習っていたけど、コンテストで一度も優勝したことがなかったな。すごく悔しかったな。私の中で不完全燃焼していたふつふつとしたものが湧き出した。ロクシタンへの入社は、ただ働くだけではなく、仕事のやりがいと自信を手に入れるため。新しい人生がはじまりました。
配属になった店舗は、スタッフ総勢20数名、全国売上トップクラスの店舗。運営が難しいとされる大型店です。店舗とは生き物のようなもので、一人ひとりの気持ちが離れてしまうと、とたんに活気を失います。忙しすぎてお互いを思いやる気持ちが薄れる。スタッフ間の信頼関係が崩れる。売上数字も下がる。実は、自分の店舗にもそんな時期がありました。
どんよりした停滞の中で取り組んだことは、小さなことです。はさみやゴミ袋など、次に使う人のことを考えて所定の場所に置く。忙しくて会話の時間もとれないからこそ、思いやりのアクションが会話になる。あの人、私のことを思ってくれているんだなと気づける。一人ひとりが意識しだすと、その流れが大きな渦となり、相乗効果が一気に出るところが、大型店のいいところ。どんよりとした空気が一変。パワフルでフレッシュな空間に生まれ変わりました。停滞していた時期は、約2週間。ロクシタンではプロモーションといって新製品のキャンペーンが3週間ごとのタイミングでやってくるのですが、これがスイッチを入れ直すきっかけになることもあります。空気が変われば、成果も出る。もっとやれるとチームの士気も上がる。無事に復活できたことで、クリスマスとホワイトデーという勝負どころで、大きな売り上げを記録することができました。
人を思いやることを大事にするスタッフが多い。思いやりを大事にしようという会社の風土もある。自分自身をもっと成長させて、もっと深い思いやりを持てる人になりたい。
人の魅力を語らずしてロクシタンを語ることはできない。接客コンテストの時のストアマネージャーのアドバイスは貴重な学びになった。以前は自分の紹介したいものをベラベラ喋るタイプだったのですが、そこをピシッと直していただいた。上司なくしてクリスタルエトワールはありえなかったと思う。
モチベーションを大事にする職場。たとえば、店舗が混雑してきて、別の持ち場に移動を命じられたスタッフは「遅いって思われたんだろうな」と肩を落としてしまうが、「疲れてるよね、ありがとうね。あっち助けてくれる?」と伝えると頑張ってくれる。人のモチベーションを高めあうチームを目指したい。
接客コンテストへの出場だったり、リーダービューティーアドバイザーやアシスタントストアマネージャーへのチャレンジなど、自分を成長させるチャンスが豊富。頑張っている人のことを、見てくれている人が必ずいるからこそ、頑張ってみようという意欲も湧いてくる。
アシスタントストアマネージャーは店舗の要です。たとえば、7名中4名のスタッフがダラダラしていたら、全体がダラダラに引きずられて染まってしまう。でも、4名がやる気満々だったら、みんなやる気になるんですよね。そんな組織のメカニズムを理解しつつ、いい方向に引っ張っていく仕事。もちろん、一人ひとりの気持ちに敏感になって、何かあった時にすぐ対応することも欠かせません。
アシスタントストアマネージャーになってもうすぐ1年ですが、ストアマネージャーの仕事を見ていると、まだまだ勉強することばかりだなと思います。たとえば、しんどい時、いちばん助けてほしいタイミングで「ごはんいこっか」と声をかけてくれること。これまでの私の「思いやり」はまだまだ足りなかったんだなと思わせられることも多いです。みんなにもらった思いやり、もっともっと返していきたいですね。この思いやりの好循環が私たちの職場をあたたかく支えてくれているような気がします。
接客コンテストは3回挑戦して、過去の2回は予選落ち。だから3回目の挑戦でまさか自分がクリスタルエトワールになれるとは思ってもみませんでした。私を変えてくれたのは、今のストアマネージャーとの出会い。本当に感謝しています。
また、クリスタルエトワールの研修旅行でロクシタン発祥の地であるプロヴァンスに行かせていただき、いろんな発見がありました。今までは製品のコンセプトなどはテキストに書かれた説明文で理解するといった感じだったのですが、それが目の前にドーン!と広がっている。あたり一面に広がる美しいラベンダー畑。農家さんとロクシタンスタッフの肩を抱き合うような信頼関係。丁寧に緻密に製品をつくりあげる工程。私たちに「日本の現場のことを教えてください」と傾聴してくださるフランス本社スタッフのみなさん。豊かな自然、豊かな会話。こうした価値観・考え方を、私たちは製品を通じて日本のマーケットに届けているんだなと実感しました。入社当時は「売り上げNo.1になりたい」と思っていた私。売り上げも大切だけど、それ以上に大切なものがたくさんあることに気づくことができた。ロクシタンに飛び込んでよかった。今、素直にそう思っています。
大型店舗なので、いろんな業務を分担しています。それぞれが大事な仕事を持っているので、誰かが欠けてしまうと成り立たなくなります。任せる時も、任される時も、信頼・信用ありき。自分のことしか考えていない上司に人はついていかないですよね。誰よりもスタッフのことを考える人になりたいと思っています。